今回はAmazonスポンサープロダクト広告の効果的な活用方法をお伝えします。
本記事で学べること
・広告運用のメリット・デメリット
・広告の効果的な活用方法
・広告の調整
・データ確認と分析方法
スポンサープロダクト広告とは
Amazonスポンサープロダクトとは、
広告出稿することで出品中の商品を表示させる「クリック課金型」の広告サービスです。
クリックされなければ、広告費は一切かからないので、初心者の方でも気軽に広告運用を取り組めることができます。
スポンサープロダクト広告を出稿することで、いわゆる、レコメンド(関連商品)として下記のように表示されます。
スポンサープロダクト広告の種類と設定方法については下記の記事を参考にどうぞ。

広告を出稿できる条件とは
広告を出稿できる条件としては次のとおりです。
・大口出品者
・有効なクレジットカード情報の登録。
・新品商品を出品している。
※大口出品者のみが広告掲載できるサービスとなりますので、小口出品者の方は利用することができません。
広告出稿をすることで、下記のように出品中の商品をレコメンド(関連商品)や検索結果一覧に表示させることができます。
・レコメンド
「この商品に関連する商品」が表示されます。
・検索結果一覧
ユーザーが購買目的で商品を検索した場合、検索結果一覧にスポンサーとして表示されます。
広告運用のメリット
広告出稿することで商品の露出が高まるのでお客様の目に触れる機会が増えることで売上アップに繋がることが大きな特徴です。
予算は自由に設定することができるので、ご自身の資金状況に合わせて少額から広告運用することができます。
また、広告出稿することで「どんなキーワードで商品が売れたのか」など、データを見ながら分析することができます。
・少額から広告掲載することができる
・購買目的で訪れているお客様に対して、広告出稿できる
少額から広告掲載することができる
先程お伝えした通り、Amazonスポンサープロダクト広告は、「クリック課金型」ですので、クリックされてから料金が発生します。
1日の予算は100円から出稿することができます。クリック単価は商品カテゴリーやキーワードによって変動してきますが、相場は10円~50円程度です。
私は1日の広告予算は500円から設定しています。
広告を停止したい時やクリック単価の変更などはボタン1つでおこなうことができるので、簡単に調整することができます。
購買目的で訪れているお客様に対して、広告出稿できる
お客様はAmazonで、なんらかの商品を購入しようとしている購買意欲の高いユーザーであることが分かります。
つまり購入する物がある程度決まっているので、広告出稿をおこなえばユーザーが求める商品を上手く表示することができます。その為購入につながる可能性は極めて高くなります。
私はスポンサープロダクト広告を使ってみて、デメリットを一切感じたことはありませんでした。
購買意欲の高いユーザーに向けて幅広く告配信をおこなうことができるので、利用しない手はないですね。
広告の効果的な活用方法とは
では、収益化に繋がる効果的な広告運用の活用方法についてお伝えしていきます。
赤字覚悟で広告費を使っていく
えっ、赤字覚悟で広告費を使っていくと利益出ないのでは?
と思うかもしれないですが、
商品を出品したら、まずは、とにかく売ることを意識して広告費を惜しまず使うことをおすすめします。
広告運用を開始した初月は必ずと言っていい程赤字になります。
出品したばかりの商品は、カタログが育っていないので、Amazonを見ているお客さんの目に留まりにくいのです。
これでは収益を出すのは難しいですよね。
そこでおすすめするのは、商品がお客さんの目に留まるように、広告費をどんどん使うというテクニックです。
リリースしたばかりの商品は利益を得ていくスタンスより、回転数を意識して赤字でもとにかく売ることが重要です。
その方が、検索順位も上がりやすく販売実績の少ない商品カタログでも、上位表示させることが可能になります。
赤字でも売っていくとなると不安になるかもしれませんが、AmazonOEMにおいて最初から黒字を狙うのは厳しいのが現状です。
もちろんリサーチの段階で魅力的な商品を選定していることが条件ですが広告費を使うことで、商品が多く売れる効果が期待できます。
成約数を増やしていけば、商品の自然検索(検索結果として表示されたサイトのうち広告を除いた部分)の順位も上がり集客アップに繋がります。
私も実際に2~3ヶ月は広告費で赤字になりますが全く気にしていません。
もちろん、商品によっては初月から売れ行きが良い物もありますが、カタログが育っていないので売れ続けていくことは中々難しいです。
広告を出稿することで、ここまでの効果が望めるのですから、まずは赤字覚悟で広告費をどんどん使いましょう。
ターゲティングの掛け方と期間について
では、具体的にターゲティングの使い方と期間についてお伝えしていきます。
新規出品に対して広告出稿する場合、まずは「オート」→「商品ターゲティング」→「キーワードターゲティング」の順で掛けていくことをお勧めします。
理由は新規リリースしたばかりの商品はテスト販売として出品していきます。
よって在庫も少ないですし、販売実績や商品レビューが付いていないので、最初からマニュアルや商品ターゲティングを使っていくと費用対効果が確実に悪くなるからです。
まずは、出品中の商品と関連性が高いキーワードを自動に拾ってくれるオート広告で1〜2ヶ月を目安に出稿していくのがベストです。
幅広いキーワードに対して広告掲載することができるので、売上アップに繋がります。
1〜2ヶ月程、広告運用することで、ある程度データを集めることができるので分析する際に役立ちます。
また商品の売れ行きや人気度などもわかってくるので、そのくらいを目安にしておくことで無駄な時間と広告費を浪費せずに済みます。
売れ行きの良くない商品に広告をズルズル掛けていると赤字になりやすいので、1つの商品に固執せず、売れない商品は在庫処分を考えて次の商品を出品していきましょう。
商品ページを改善するか、しないか、判断としては、ビジネスレポートを確認していくと良いでしょう。
下記の記事を参考にどうぞ。

マニュアルターゲティングを活用するタイミング
マニュアルターゲティングを使うタイミングは、ある程度の販売実績があり商品レビューなどが付いてきてからです。
オートでACOSが良ければ、マニュアルと併用することをお勧めします。
オートターゲティングで、検索ボリュームが多いキーワードや、成約率の高いキーワードをマニュアルターゲティングに追加し、キーワードへの入札額を上げることで、さらなるインプレッションや売上を増加することが期待できます。
マニュアルを使うタイミングは安定した在庫を確保できて商品を全力で売りにいく時に使っていきます。
マニュアルターゲティングに設定するキーワード選定には、
などのツールが効果的です。
このようなキーワード取得ツールを上手く活用してAmazon広告の費用対効果を最大化していきましょう。
あくまで広告は補助的なものなので、広告単体で利益を得ていくというスタンスはあまりお勧めしません。
広告の目的は商品を育てる(自然検索でも売れていく)というのが最終的なゴールだと思っています。
Amazonのスポンサープロダクト広告の指標に「ACOS」という表示があります。
この指標は、広告費売上高比率(ACOS)となり、広告費に対する利益率の割合です。
広告費に対しての売上が『赤字か黒字』なのか、を理解するのに役立つ指標です。
当然ながら、ACOSが利益率より上回ると赤字となり低くければ黒字と判断できますね。
入札単価の調整をしながら、利益を得られるように最適化していく必要があります。
②1〜2ヶ月を目安にオート広告を出稿
③商品の売れ行きが良ければ(レビューが付いてきて)マニュアル広告を使っていく
④1日の広告予算は、500~1000円で設定
⑤入札単価は(20~30円)が望ましい
商品が育つまでは費用対効果は低くて当然ですので、根気よく取り組んでいくことが重要です。
関連性の高いキーワードを設定
広告掲載で有利に働くには、(商品ページ)の最適化が大前提となります。
そもそも、商品に魅力がなかったり商品ページに適切なキーワードが設定されていなければ、広告出稿した所で全く意味がありません。
商品ページの最適化については次の3つが重要です。
・商品説明文
・内部キーワード
詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
https://hiyun.jp/seo/
入札額や予算の設定
入札額の最低出稿金額は2円から可能となっています。
入札額は(20~30円)くらいから設定をしてまずは様子をみましょう。
いくらから設定して良いのか迷う場合は、推奨単価を目安に設定することをお勧めします。
入札単価を高く設定している人ほど広告が表示されやすいという仕組みになっていますが、
必ずしも設定した入札金額が発生するわけではありません。
ライバルの(入札単価)によって変動してきます。
クリック分母が極端に少ない場合は入札額を上げてみたりしています。
例えば、
100クリック取れて成約数0の場合→入札単価下げるor広告停止
スポンサープロダクト広告は1日の広告費用を設定できるので、予算に合わせて運用しましょう。
1日の予算は500円程度で始めるのがお勧めです。
500円より低く設定すると直ぐに予算オーバーになるので販売の機会損失に繋がってしまいます。
仮に1商品1日の予算を500円で設定している場合、1日(500円)×30日で15000円で運用できます。
このように予算を事前に設定することができるので、使いすぎる心配もありません。
新規でリリースしたばかりの商品は、1日の予算を低めから設定して売れ行きが良ければ少し上げて見るなど調整していきましょう。
広告運用は出稿すれば利益を得られるとは限らないです。
もちろん出稿すれば売上アップに繋がりやすくなりますが、調整を自分でおこなっていかなければ赤字になったりします。
1日の予算をすぐ使ってしまう場合はクリック単価を下げて様子みていくか、在庫など十分あったり良いレビューが入っていたら予算上げてみる。
このように状況に応じて広告を調整していくことが非常に重要です。
そもそもクリック数が取れない原因は商品に魅力がない、入札額が低い、商品ページに設定したキーワードと関連性が低いといったケースが挙げられます。
上記にお伝えした商品ページの最適化も1つの方法として考えておきましょう。
このような場合、調整や改善もせず広告を垂れ流しにしていては、無駄な時間や資金を浪費してしまいますので、3日に1回くらいの頻度で必ず広告キャンペーンを確認していきましょう。
オート広告を使う場合、調整に関しては難しいことは何1つなくシンプルで操作がしやすいです。
入札単価や1日の広告予算の調整と「ターゲティングの有効・停止」くらいの作業です。
オート広告のターゲティングでは、
・ほぼ一致
・代替え商品
・補完商品
このようにオートではターゲティンググループが分けられていますので、効果の高いものを残して、良くないものを停止することになるので、運用がしやすいのが大きな特徴です。
・おおまか
・ほぼ一致
・代替え商品
は費用対効果が高いので、有効にしておきましょう。
個人的に代替えが、マッチタイプの中では費用対効果が1番良い印象です。
しかし、他のマッチタイプと比べて代替えのデータが反映されるまで、2~3週間は掛かるのですが効果がないわけではありません。
補完商品は、ほとんどデータが取れず正直使えないので、停止しておいても問題ありません。
オート広告のデメリットとしては、特定キーワードの選定や入札単価を細かく調整することができないので、広告費用を削減したいという場合は厳しいです。
その為、オートでは幅広いキーワードを自動で配信してくれるので、
成約率に繋がりにくいキーワードまで無駄に広告費用が掛かってきてしまうケースがあります。
なので、オートで1〜2ヶ月程、データを収集してマニュアルターゲティングに切り替える、もしくは、併用して掛けていくことをお勧めします。
マニュアルターゲティングなら、出稿したいキーワードを選定することができるので効果的なキーワードだけ入札額を上げると言った細かな調整ができます。
効果の低い不要なキーワードに広告費用をかけることなく、費用対効果の高い広告配信ができるのが最大のメリットです。
広告費の請求について
広告費の支払いについては未払い分の合計が上限額に達した際に、その都度請求が行われます。
・出品用アカウントの残高からの支払い
・クレジットカードからの支払い
から選択できます。
管理から「請求および支払い」に進みます。
支払い設定を管理をクリックします。
支払い方法を変更から選択することができます。
上限額は、初回は5,000円から始まり、支払いが完了するたびに15,000円、20,000円、35,000円と、最高額の50,000円まで増加できます。
限度額に達してない場合、広告料金の未払い分がある場合にも、翌月3日に請求が行われます。
広告のデータ確認と分析方法
広告運用をおこなうとキャンペーンマネージャーから結果を確認することができるのでデータ分析に活用しましょう。
キャンペーンマネージャーでは、広告がクリックされてから「1週間以内に購入された売上」を確認できます。
キャンペーンごとに「インプレッション、クリック率、クリック単価、広告費」など、期間別に広告レポートを作成することが可能です。
まずは、セラーセントラルから「広告レポート」へ進みます。

次に、レポート作成をクリックします。

キャンペータイプは「スポンサープロダクト広告」にチェックします。
確認したい「レポートタイプ」を決めて、「レポート期間」も選んでいきましょう。

最後に「レポートを実行」をクリックしてダウンロード完了です。

広告レポート作成時の注意点
1つ注意点があるのですが、スポンサープロダクト広告の売上がレポートに反映されるまで、最大で約2週間かかる事です。
そのため、広告レポートをダウンロードする際は、基本的に2週間以上前のデータを出した方がいいです。
その理由ですが、広告出稿したからと言って、購入客がスグに商品を買うわけではなく、他の商品と比較した後に、数日後に購入するケースがあります。
『広告レポート』は、クリックされてから反映されるまで、2週間かかる仕様なので、広告レポートを出す場合は最低でも2週間前のデータを取るようにしないと、正しい計測ができないと言えます。
ユーザーが、どんなキーワードで検索したのか、
どのくらいの、インプレッションとクリック率に対して、成約率があったのか?
Amazon広告を運用していく上で、広告の費用対効果を最適化する為には、レポートを確認して分析と改善をおこなう必要があります。
分析と言っても単純にACOSという指標を良くしていくだけです。
ACOSとは売上高広告費比率(広告からの売上に対する広告費)の割合です。
広告費を商品の売上で割って算出します。
ACOSが利益率より上回ると赤字となり、低ければ黒字と判断できます。
つまり低ければ低いほど広告費用対効果が高いと言えます。
広告レポートを活用するメリット
広告レポートを分析するメリットは次のとおりです。
・広告の効果を確認することでデータ分析できる
・商品ページの改善で売上向上に役立つこともできる
広告の効果を把握できるので改善できる
レポートを活用することで成約率のあるキーワードを一瞬にして確認することが可能です。
他にはインプレッション、ユニットセッション、クリックされてから1週間以内の売上、平均クリック単価、注文数などデータ分析することができます。
広告運用することで得られるデータは商品ページの改善に加え売上アップに繋がるヒントになるので積極的に使っていくべきだと思います。
効果の高いキーワードを分析して、費用対効果の向上を目指しましょう。
商品ページの改善で売上向上に役立つこともできる
広告レポートの分析結果で、成約率の高い「キーワード」を商品ページの「内部キーワード」に追加したり、説明文にも入れていくことで自然検索(SEO)や広告表示で有利に働きます。
内部キーワードとは、商品ページを作る際にキーワードを設定する項目があります。検索結果に繋がるので最も重要な箇所です。
広告レポートの活用方法は広告精査だけではなく、このように商品ページを最適化することも可能になります。
商品ページの最適化については、下記の記事を参考にどうぞ。

広告の目的
スポンサープロダクトは「新規登録商品を露出させて売ること」が目的ではありません。
1.広告で露出する
2.売れることでランキングが上がる
3.自然検索結果でも露出する(レコメンドに表示されるようになる)
4.さらに売れる
5.Amazon内でランキングが上がり自然と売れるようになる
広告で露出して売れることでデータ収集が出来ますので、
自然検索に強いページ作りを意識してください。
「とにかく売ることを意識してランキングを上げて、広告以外でも売れるようになること」が最終目的です。
まとめ
1. オートターゲティングを活用し、マニュアルターゲティングで使えるキーワードをリスト化する。この時、予算は多めにする。
2.1〜2週間ほどオートターゲティングで運用し、オートターゲティングで収集したキーワードをマニュアルターゲティングで活用する
3.マニュアルターゲティング広告運用しながら広告レポートなどを分析し、予算配分を増やしたり入札額を調整する
広告を利用することで商品が売れることだけではなく、
購入者の検索キーワードなど多くの気付きが得られます。
そして売れる商品ページ作りに重要なキーワード収集も出来るので、
Amazonの仕組みや購入者の検索キーワードなど多くの気付きが得られます。
だからこそ、僕はAmazon広告の利用を強くオススメしています。